1968年、カリフォルニア州バークレーでスリーピングバッグを作っていた二人の若者に、ハップ・クロップが資金を提供してザ・ノース・フェイスが設立されました。 設立当初より高品質のグースダウンを使用し、そのクオリティの高さや生産管理の厳しさが反響を呼ぶと同時に、「最低温度規格表示」によってその製品が最低何度まで使用可能かという情報を提供したことで非常に注目を浴びました。

ザ・ノース・フェイスが設立された当時、アメリカはヒッピー文化の全盛期でした。 物質主義社会からの自立を目指すムーブメントが巻き起こり、やがて自然回帰のバックパッキングが一大ブームとなる中、ザ・ノース・フェイスは、その常識にとらわれないスタイルに共鳴した全米の若者から熱烈な支持を得ることとなります。

創業の翌年1969年にはダウンパーカの原型とされるシェラ・パーカを発表し、世界中で多くのコピー商品を生むほど人気を集めました。
また1975年には、世界初のドーム型バックパッキングテント、オーバルインテンションを発表しました。 リチャード・バックミンスター・フラー博士のジオデスィック(測地線）ドーム理論を採用してドーム型に設計されたこのテントは、1976年､イギリス・カナダ合同隊がパタゴニア遠征で暴風雪に遭遇した際も、他のテントが次々に吹き飛ばされる中このテントだけが飛ばされず､隊員の命を守り抜きました。
さらに1976年には、アルミ合金製のアウターフレームと、腰に当たる部分に強化樹脂製のフレキシブル・サスペンションを備えて歩行中の疲労を軽減した、世界初のフレームパック、バックマジックを発表しました。
常に革新的な商品を発信し、アウトドア界へ新たな常識を生み出してきたザ・ノース・フェイスは、今後もさらなる進化を目指し、より良い機能の追及を続けることでしょう。